こんにちは。
先日、妻が大好きな”はにわ”の特別展を見にふと思い立って「九州国立博物館」に行きました。あのガラス張りの近未来的な外観を見るたびにワクワクしますよね。でも今回の目的は、特別展だけじゃありませんでした。
というのも最近、SNSで「九州国立博物館に“あんしんルーム”っていう空間ができたらしい」と話題になっていたんです。
感覚過敏のある方や、小さな子ども連れ、あるいは人混みがちょっと苦手な方が、安心して過ごせる“やさしい部屋”。そんな空間ってどんな場所なんだろう?と気になって、自分の目で見てみたくなりました。
■ 「あんしんルーム」は3つの部屋で構成されていました
受付の方に「あんしんルームって、見学だけでもできますか?」と聞くと、笑顔で「どうぞどうぞ、ご自由にご覧ください」と案内していただけました。
場所はエントランス階の奥まった静かな一角。扉の向こうに現れたのは、3つの名前をもつ小部屋たち。
その名も——雪・月・花。
和の趣を感じさせるネーミングに、ちょっとほっこり。そしてそれぞれの部屋にはちゃんと個性があるんです。
- 雪の部屋:靴を履いたまま入れる、車いす対応の部屋。白を基調とした内装で、明るすぎない落ち着いた照明が印象的でした。
- 月の部屋:こちらは靴を脱いで上がるお部屋。畳っぽいマットが敷かれていて、座ってゆったりくつろげます。
- 花の部屋:靴のままOK。中にはやわらかそうな椅子やクッションがあり、読書スペースのような雰囲気も。
どの部屋にも共通しているのは、「静かで」「人の目を気にせず」「自分のペースで過ごせる」空間であること。
そして、それぞれの部屋にはイヤーマフや触って落ち着くグッズ、ぬいぐるみ、クッションなど、感覚を落ち着かせるためのアイテムも揃っていました。
子どもから大人まで、「ちょっと疲れたな」「刺激が強くてつらいな」ってときに、ふっとひと息つける場所。



■ あんしんルームがあるという“安心感”が違う
妻自身、人混みや音が苦手なタイプで、特に美術館や博物館って、人の流れが一定じゃなくてちょっと落ち着かないことがあるんです。
でも、このあんしんルームの存在を知ってからは「もししんどくなっても、休める場所がある」と思えるだけで、展示もより楽しめた気がします。
また、展示室とは別に「音」「におい」「光」など、館内の刺激をわかりやすく示した「あんしんマップ」や、初めて訪れる人向けの「あんしんガイド」も配布されていました。
これ、めちゃくちゃありがたいです……!
特に光の強さとか音の大きさを事前に知れるだけで、心構えが全然違う。
■ 博物館って、もっと「みんなの場所」であっていいんだ
今回の体験を通して感じたのは、「博物館ってこうあるべき」みたいな固定観念がどんどん変わってきてるな、ということ。
“知識や文化を伝える場所”であると同時に、“やさしさや配慮のある居場所”としての役割も、これからますます求められるんだなと実感しました。
九州国立博物館の「あんしんルーム」は、その先駆けのような取り組みかもしれません。
感覚に敏感な方、小さなお子さんを連れたご家族、ちょっと人混みが苦手な方——どんな人も「自分のペースで楽しめる博物館」が、ここにはありました。
もし太宰府方面に行くことがあれば、ぜひ九博にも立ち寄ってみてください。
そしてちょっと立ち止まりたくなったら、ぜひあんしんルームの扉を開けてみてくださいね。
そこにはきっと、あなたの“ひと息”が見つかるはずです。
■ 「あんしんマップ」も心強い味方でした
ちなみに、もう一つご紹介したいのが、九州国立博物館が配布している「あんしんマップ」の存在。
このマップには、館内のどこにどんな刺激(光・音・におい・人の多さなど)があるかが、視覚的にわかりやすくまとめられているんです。
たとえば、「この展示エリアは光が強め」「この通路は音が反響しやすい」など、事前に知っておけることで、心の準備ができて、安心して回ることができました。
さらに「あんしんガイド」も用意されていて、初めて訪れる人でもスムーズに館内をまわれるように工夫されています。
この細やかな配慮、すごくありがたいですよね。

■ 「やさしさに出会える博物館」でした
展示の内容や建物の美しさだけでなく、こうした“人へのやさしさ”にも触れられる場所って、なかなか貴重だと思います。
九州国立博物館の「あんしんルーム」や「あんしんマップ」は、誰にとっても“安心して文化を楽しめる環境”をつくるための第一歩。
これからも、こういった取り組みがどんどん広がっていったらいいな、と心から感じた体験でした。
次に訪れるときは、誰かと一緒にこのやさしさをシェアしたいなと思います。
※あんしんルームの詳細や、あんしんマップのダウンロードは、九州国立博物館の公式サイトから確認できます。
▶ 九州国立博物館 バリアフリー・あんしん情報ページ